私の読書月記【26.02】

読書日記

⚠️注意:ネタバレを含みます
今月は8冊の本を楽しんだ。やはり、読書は楽しい。
今の家には歩いて5分のところに図書館がある。

最近は、市内の図書館であれば、
最寄りの図書館に在庫がなくても
取り寄せ予約をすることができるみたい。
便利すぎて、活用しまくっている。

中国にいたときは、
どうしても電子書籍しか読書手段はなかったけど、
紙のページを捲るこの感覚は
表現しにくいが、代え難いものがあるんだよな。

『大地の子』(上・中・下) 山崎豊子

太平洋戦争の敗戦がきっかけに
満州で残留孤児となった日本人男児の話。

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中国へ駐在同行中に出会った方に
お勧めされた本のうちのひとつ。

戦争が残したもの
戦後の日本人という立場
中国人として育てられた立場
どんなに努力を重ねたとしても
ルーツを理由に認められない歯痒さ

様々な立場の葛藤に触れた。

「日中友好」を盾に
日本側に数々の無理な要求をする
中国側にイライラしたり、
ソワソワしたり、悲しくなったり。

主人公の過酷で壮絶な環境に
何度もページを捲る手が止まりそうになったが、
目を背けたらダメな気がして読み進めた。

最終的に彼がどんな人生を選んでいくのか。
私自身は、そんなに頑張ってきたんだから、
もういいじゃないか、
手を離してもいいんじゃないか
とずっと思っていた。

彼の最終的な決断に心が震えた。

『チョコレートコスモス』 恩田陸

子役時代から活躍してきた女優の響子と
数ヶ月前に芝居を始めた天才的な感覚を持つ飛鳥。

あるきっかけを元に二人が出会い、
芝居を通して化学反応を起こしていく。

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以前、蜜蜂と遠雷を読んだこともあり、
恩田陸さんは
オーディションやコンクールを描くことが
素晴らしく上手い!というのが率直な感想。

ただただ続きが気になって仕方ない!
と、あっという間に読み終えてしまった。

天才対天才の演技の対決は
正直、何が起こっているのか分からなかった。

だけど、芸を極めてきた人にしか分からない
瞬間とか感覚とかがあるのだなと
そんな領域に行ってみたいと思わされた。

『リボルバー』 原田マハ

ゴッホとゴーギャンの研究をしている主人公の冴。
フランスのパリでオークション会社で働く彼女の元に
ゴッホの最期に使用された拳銃を
オークションに出したいと申し出る一人の女性が訪れる。

絵画や文献を通した史実に精通している冴が
改めて巨匠二人の人生を紐解いていく物語。

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私の大好きな作家さんの一人である原田マハさん。
大学時代にいくつか読んだことがあったけど、
改めて読み直したいと思い、手に取ってみた。

マハさんの作品は、
美術館のキュレーターをしていた経験が元に
なっていることが多い。

美術に精通しているわけではない私でも
楽しく読み進めることができたから、
初心者さんにもおすすめである。

この物語を通して私が改めて感じたことは
全てを理解する必要はない。
その空白を空白のまま受け止めることも大切

ということ。

「全てを明らかにすること、一貫性を持たせること」
今の世界で求められていることのような気がする。

例えば、芸能人の発言一つとっても
その言葉を発した背景や理由、性格や
過去はどう言っていたか等々、全てを調べ上げて、
矛盾点を批判したり、
こんな性格だからこんなこと言うんだとか、
見損なったとか、
一部で判断されがちのような風潮があると思っている。

人間は一日約3万5000個の選択をする
と言われていることもあり、
一貫した自分でいたいと願う一方、
矛盾と隣合わせの生き物だと思う。

もちろん、対人関係の中で、
裏切る行為をしていいというわけではないが、
そんな人の危うさをも含めて
受け入れる器を持っていたいと思う。
(これは結構難易度高めだよ。。)

『神様のカルテ』(1・2・3)夏川草介

「24時間365日診療」を掲げる病院で
昼夜問わず働く内科医の栗原一止。

夏目漱石を崇拝しており、
少し古風な考え方と話し方が特徴的な彼の
周りで起こる数々の出来事。

医者として、一人の人間として
どう生きていくのか、
彼の人としての温かさに触れられる物語。

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なんだかほっこりと
妊娠中の私の心に温かい風を
吹かしてくれた小説だったので
あっという間に、3冊読み切ってしまった。

その中でも心に残ったお話は
胆のう癌を患っていた80代の安曇さんとの関係。

医師と患者は、
どうしても治療をするとなると「医師→患者」
という矢印関係をイメージしがちだが、
そうでもないのかなと思わせてくれた。

生きるために治療をする。
それは紛れもなく、医師としての義務。
死に向かっていく人を支えること。
その手の差し伸べ方が、
治療の施しようがない人をも救うこともあるのだと。

私の心に残った一文でも記載したのが、
二人の会話である。

一止の名前を通して、ことばを紡ぐ安曇さんに
せかせかと生き急ぐのではなくて、
時々立ち止まって、
足元の大切なものに気付ける自分でいたいと思ったのだ。

私の心に残った一文

一に止まると書いて正しい。
人は生きていると、前へ前へという気持ちばかり急いで、どんどん大切なものを置き去りにしていくものでしょう。本当に正しいことというのは一番初めの場所にあるのかもしれませんね。

迷うた時こそ立ち止まり、足下に槌をふるえばよい。さすれば、自然そこから大切なものどもが顔を出す。

Naru.

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