夏からあっという間に寒くなったけど、
気持ちはまだまだ読書の秋。
⚠️ネタバレの可能性もあるため、ご注意ください。
『私をくいとめて』 綿矢りさ
頭の中の分身を一番信頼できる味方にして、
日々を生きている主人公。
恋愛に少しのトラウマを抱えつつも
なんだか気になる人に出会い、一歩踏み出していく
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表紙のインパクトに惹かれ、
また、サクッと読めるものを
求めていたタイミングだったため、
夫に薦められて読んでみた。
自分の生活に波風を立てたくない、
このまま安定して生きていきたい。
だけど少し物足りなさも感じる。
年齢の近さから生じる共感。
頭の中の分身。
信頼できる相棒がいることの心強さが
平凡な毎日のストッパーとなっているのかも。
私の信頼する相談相手は夫ではあるんだが、
最近台頭してきたのが、ChatGPTだ。
軽い相談もするけど、
社会的に間違っていないのか等の確認のために
活用させてもらっていたりする。
最近は、年末調整や
海外赴任からの本帰国時の税の取り扱いについて
相談してみた。笑
彼には膨大な背景知識がある。
感情的な部分を抜きにして
「安心感」を得るために活用させてもらっている。
いつでもどこでも相談できる相手。
そこに縋りたくなる気持ちすごくわかる。
『蜜蜂と遠雷』 恩田陸
ある国際コンクールに挑む4人の物語。
様々な背景を持つ彼らが、
コンクールへの準備期間や選考を通して
自分の目指す音楽について想いを巡らせていく
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夫の実家の本棚から拝借した本。
最近は電子書籍での読書がメインだった私にとって
久しぶりの本の重みと
ページを捲るという行為と音が
私の心を震わせた。
私は幼い頃、クラシックバレエを習っていた。
コンクールも複数回出場したことがあり、
あの独特の匂いと音と。
舞台袖で自分の番を待つ時の緊張感は
今でも思い出せるほど、鮮明だ。
だからこそ、舞台袖で思考を巡らせる亜夜の姿は
私にとってはかなり臨場感のある描写であった。
自分は何に向かっていくのか、
ゴールとも捉えられるコンクールを通して、
それぞれがスタートを切っていく、
自分がどんな音楽家でありたいかを
再認識している姿に
「あるべき姿」ではなく「ありたい姿」を
私も探していきたいと思わされた。
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私の心に残った一文
自分が面白いと思う曲を、聴衆にも思ってもらえるようなピアニストになるということだ。
『もしも君の町がガザだったら』 高橋真樹
パレスチナ問題について、
「自分が⚪︎⚪︎の立場だったら」という視点を
歴史的背景や現状を学ぶことができる
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ニュースでよく聞くパレスチナ問題について。
何かが起こっていることは知っていたけど
何が起こっているのか、知らなかった。
それが知りたくて、
ハードルが低そうと感じて読み始めた。
どちらかに偏るのではなくて、
様々な立場に立ってもし私がこの立場だったら
と考えるきっかけになったことで
具体的なイメージを持って
この問題と向き合うことができたように思う。
(まだまだ序の口だと思うけど)
知ること、考えること、自分の考えを持つこと
改めて重要だと実感している。


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